心身の波・診断との付き合い方

双極症について、自己判断だけで抱え込まないために知っておきたいこと

双極症は気分の波だけで自己判断できません。睡眠・活動量・判断の変化を記録し、医療機関へ経過を伝えるための基本をまとめました。

双極症について自己判断だけで抱え込まないために、気分の波を少し離れて見つめるイメージ

気分が大きく上がったり、落ち込んだりすると、

「双極症なのではないか」

と不安になることがあります。

でも、気分の波があることだけで、双極症かどうかを自己判断することはできません。

双極症では、気分だけでなく、睡眠、活動量、話し方、考え方、判断、生活への影響などを含めて、医療機関で状態を確認します。

この記事では、自己診断のためのチェックではなく、気になる変化を記録し、医療機関へ相談するときに知っておきたいことをまとめます。

双極症は、日常的な気分の波だけでは判断できない

嬉しい出来事で気分が上がる。

疲れた日に落ち込む。

こうした日常的な変化は、多くの人にあります。

双極症かどうかは、気分の変化だけでなく、その状態がどのくらい続いたか、睡眠や活動量がどう変わったか、生活へどの程度影響したかなどを含めて判断されます。

インターネットの情報や一つの特徴だけで、自分や誰かを双極症だと決めないでください。

躁状態・軽躁状態・うつ状態という時期がある

双極症では、躁状態または軽躁状態を含む気分のエピソードがみられ、うつ状態を繰り返すことがあります。

躁状態や軽躁状態では、気分が高揚したり、いら立ちが強くなったりするほか、睡眠が少なくても平気に感じる、活動が増える、話し続ける、考えが次々に浮かぶ、普段より大きなお金を使うなどの変化がみられることがあります。

うつ状態では、強い落ち込み、興味の低下、疲れやすさ、眠りや食欲の変化、集中しにくさなどがみられることがあります。

ただし、症状の現れ方は人によって異なり、別の病気や薬、体調などが関係する場合もあります。

調子がよい時期は、本人が気づきにくいことがある

活動が増え、考えが速くなっている時期は、本人には「やっと調子が戻った」「本来の自分になった」と感じられることがあります。

そのため、困っている自覚がないまま、周囲が睡眠や行動の変化に気づくことがあります。

反対に、周囲が活発さをすぐ病気と決めつけることも避けなければなりません。

一時の印象ではなく、普段との違いと経過を見ます。

自己判断だけで決めず、経過を伝える

気分や睡眠、活動の大きな変化が続いている場合は、精神科などの医療機関へ相談してください。

受診するときは、落ち込んでいる時期だけでなく、次のような時期がなかったかも伝えます。

  • 睡眠が少なくても平気だった
  • 活動や予定が急に増えた
  • 話す量や速さが大きく変わった
  • 買い物や契約など、普段と違う判断が増えた
  • 周囲から「いつもと違う」と言われた

診断は、こうした経過を医師が確認したうえで行います。

薬や治療は、自己判断で変えない

すでに治療を受けている場合、調子がよく感じられても、薬を急に減らしたり中止したりしないでください。

薬の変更には、症状の再燃や体調への影響が関係することがあります。

副作用や服薬への不安がある場合は、主治医や薬剤師へ相談します。

この記事では、薬の種類、量、変更についての判断は扱いません。

日々の記録が、相談の助けになる

記憶だけでは、数週間から数か月の変化を振り返りにくいことがあります。

簡単に、次のことを記録します。

  • 睡眠時間
  • 気分と活動量
  • 仕事や予定の増減
  • 大きな買い物や判断
  • 服薬と体調

記録は、自分で診断をつけるためではありません。

医療機関へ経過を伝え、生活の変化に早く気づくためのものです。

身近な人が気づいたとき

身近な人の様子が普段と大きく違う場合は、病名を決めつけず、具体的な変化を伝えます。

「最近、睡眠がかなり短いように見えて心配している」

「予定や買い物が急に増えているけれど、体調はどう?」

と、確認できる事実から話します。

危険な運転、大きな契約、暴力、自分や誰かの安全に関わる行動がある場合は、家族だけで抱えず、医療機関や緊急の相談先へ連絡してください。

うつ症状かもしれないと感じたときに、ひとりで抱え込まないためにでは、落ち込みや体調の変化が続くときの相談についてまとめています。

『躁鬱大学』では、気分の波について考えるきっかけになった本を紹介しています。

診断名を急ぐより、変化をひとりで抱え込まない

気分の波があると、早く名前をつけて安心したくなることがあります。

でも、自分で病名を決めても、必要な支援がわかるとは限りません。

普段との違いを記録し、医療機関へ伝える。

治療中なら、主治医と相談する。

気になる変化を、ひとりで抱え込まないことが大切です。

参考資料

この記事は、診断や治療、服薬の判断を目的としたものではありません。