動けない・やる気が出ない

わかっているのに動けないときに、損得を整理してみる

やった方がいいのに動けないとき、意思決定バランスを使って「やる・やらない」の得と負担を整理し、動きを止める理由を見つけます。

朝の玄関に置かれたスニーカーとバッグ、少しずつ行動を始める雰囲気の静かな風景

やった方がいいと、わかっている。

それでも動けない。

そんなときは、やる気が足りないのではなく、動くことで失うものや、避けたいことがあるのかもしれません。

行動には、得られるものだけでなく、負担や不安もあります。

この記事では、「やる・やらない」の損得を四つの方向から見て、動きを止めているものを整理します。

損得の整理が役立つとき

何かを始めたいのに、迷いが続いている。

やった方がよい理由はわかるのに、体が動かない。

そのようなときは、頭の中にある賛成と反対の理由を、見える形にすると整理しやすくなります。

これは、動機づけ面接などで使われる「意思決定バランス」に近い考え方です。

自分を説得するためではありません。

変わりたい気持ちと、変わりたくない気持ちの両方を見るために使います。

四つの方向から見てみる

紙を四つに分け、次のことを書きます。

  • やることで得られるもの
  • やることで失うもの、負担になるもの
  • やらないことで得られるもの
  • やらないことで失うもの

「やるメリット」と「やらないデメリット」だけではなく、やらないことで守っているものも書くことが大切です。

休める。

失敗しなくて済む。

恥ずかしい思いを避けられる。

そうしたものが見えると、動けない理由を責めるのではなく、何を怖がっているのかを考えられます。

ウォーキングを例に整理する

「運動のために歩きたいけれど、続かない」という場合を考えます。

歩くことで得られるもの

  • 体を動かしたという満足感
  • 外の空気を吸う時間
  • 生活の区切り

歩くことで負担になるもの

  • 着替えや準備
  • 人に見られる気まずさ
  • 疲れること

歩かないことで得られるもの

  • すぐに休める
  • 準備をしなくてよい

歩かないことで失うもの

  • 外へ出る機会
  • 動けなかったという後悔

ここまで書くと、問題が「やる気」ではなく、着替え、人目、疲労などにあると気づくことがあります。

行動を妨げているものを先に扱う

妨げているものが見えたら、それを小さくします。

着替えが面倒なら、普段着のまま玄関の外へ出る。

人目が気になるなら、時間や場所を変える。

疲れが強いなら、歩くのではなく休む。

最初の一歩は、行動そのものではなく、障害を減らすことでも構いません。

損得だけでは決められないこともある

損得を整理しても、決められないことがあります。

家族、仕事、健康、人との関係などは、数字だけでは比べられません。

そんなときは、

「自分は、何を大切にしたくてこの行動を選ぶのか」

も確かめます。

少し損に見えても、大切にしたい方向へ向かう選択があります。

反対に、得が多く見えても、自分を壊すほど続ける必要はありません。

健康、安全、大きなお金、重要な契約などが関係する判断は、この表だけで決めず、必要な情報を集め、専門家や関係者にも確認してください。

動けない状態が続くときは

損得を整理しても、何も選べないほど疲れている。

眠れない、食べられない状態が続いている。

以前できていたことまで難しくなっている。

その場合は、意思決定の工夫だけで何とかしようとせず、医療機関や相談窓口、信頼できる専門家へ相談してください。

考えすぎて動けないときに、まず見直したいことでは、正解を探し続けて動けないときの仕組みをまとめています。

何もしたくない日はどう過ごせばいいかでは、小さく動くことも難しい日に、体の土台を守る方法を紹介しています。

時代の空気に流されすぎないために、自分の価値観を見直すでは、損得とは別に、自分が大切にしたい方向を考えます。

納得できる一歩を選ぶために使う

損得の表は、無理に行動させるためのものではありません。

動きたい気持ちと、動きたくない気持ちの両方に理由があることを知るためのものです。

何が負担なのかが見えたら、障害を減らす。

休む必要があるなら、休む。

そのうえで、自分が納得できる大きさの一歩を選びます。