悩みをひとりで抱え込まないために
悩みを抱え込むほど、相談すること自体が難しくなることがあります。誰に、何を求めて話すのか。身近な人に話しにくいときの相談先や、早めに支援へつながる目安をまとめました。
悩みを抱えたまま、ひとりで考え続けてしまうことがあります。
考えるうちに答えが見つかることもあります。
一方で、同じところを何度も回り、ほかの選択肢が見えにくくなることもあります。
それでも、
「こんなことで相談していいのだろうか」
「自分で解決しなければ」
と思い、誰にも話せないことがあります。
この記事では、悩みを抱え込みすぎないために、誰に、何を求めて話せばよいのかを考えていきます。
悩みの重さは、外からは決められない
初めて相談にみえる方から、
「こんな悩みでも相談していいのでしょうか」
と聞かれることがあります。
私は、悩みに大きいも小さいもないと思っています。
たとえば、
「夕飯の献立が思いつかない」
という言葉だけを見れば、小さな悩みに感じるかもしれません。
でも、家庭の中に強い緊張があり、相手の反応にいつも怯えているとしたら、話は違います。
悩みの重さは、言葉だけでは決められません。
その悩みが、生活や心身にどのくらい影響しているかを見る必要があります。
また、悩みを誰にも話せずにいると、悩みそのものとは別の苦しさが増えることがあります。
「笑われるかもしれない」
「迷惑をかけるかもしれない」
「自分で解決できないのは、弱いからではないか」
そう考え続けるうちに、悩んでいる自分まで責めるようになることがあります。
ひとりで考える時間が必要なこともあります。
ただ、何度考えても同じところへ戻り、苦しさだけが増えているなら、外からの視点を借りる時期なのかもしれません。
悩みの中身を整理したい場合は、悩みを整理するために試してみたい方法で、事実や予測、自分が選べることを分ける方法を紹介しています。
相談は、答えを誰かに預けることではない
悩みを話すことは、答えを誰かに決めてもらうことではありません。
自分では見えにくくなっているものを、誰かと一緒に確かめる方法です。
話しているうちに、
「本当は、ここがつらかったんだ」
「自分は、これを怖がっていたんだ」
と、自分の気持ちが見えてくることがあります。
カウンセリングなどの対人支援では、相手の話をすぐに評価したり、結論へ急いだりせずに聴く「傾聴」が大切にされています。
傾聴の目的は、正しい答えを与えることではありません。
話す人が、自分の言葉で状況や気持ちを整理しやすくするためです。
最初から、きれいに説明する必要はありません。
「ちょっとつらい」
「最近、同じことばかり考えている」
「うまく説明できないけど、少し聞いてほしい」
それだけでも、相談は始められます。
誰に、何を求めて話すのかを選ぶ
身近に信頼できる人がいるなら、その人に話す方法があります。
ただし、近しい人であれば、誰でもよいわけではありません。
話をすぐ否定したり、むやみにほかの人へ広めたり、無理に結論を押しつけたりしない人を選びます。
また、話す前に何を求めているのかを伝えると、行き違いを減らせます。
- 今日は、解決策より話を聞いてほしい
- 率直な意見を聞きたい
- 一緒に方法を考えてほしい
- 相談先を探すのを手伝ってほしい
- 今は、ただそばにいてほしい
相手にも事情や余裕があります。
信頼している人でも、そのときは話を受けとめる余裕がない場合があります。
一人の反応だけで、
「自分の悩みには価値がない」
「誰もわかってくれない」
と決める必要はありません。
別の人や、別の相談先を探して構いません。
身近な人との関係そのものが悩みの原因なら、無理にその相手へ相談しないでください。
身近な人に話しにくいときは
悩みは、家族や友人だけに話さなければならないものではありません。
身近な人だからこそ、言いにくいこともあります。
心配をかけたくない。
弱いところを見せたくない。
今後の関係が変わるのが怖い。
そんなときは、相談窓口、医療機関、カウンセラーなど、生活から少し距離のある相手へ話す方法があります。
相談先は、悩みの内容によって変わります。
- 気分の落ち込みや強い不安が続くなら、医療機関や心の相談窓口
- 職場の悩みなら、社内窓口、労働相談、産業保健の相談先
- 暴力やハラスメントなら、その問題に対応する専門窓口
- 借金や法律上の問題なら、法律・金融の相談窓口
どこへ相談すればよいかわからないときは、総合的な相談窓口で、適した支援先を尋ねても構いません。
電話で話しにくければ、SNSやチャットで相談できる窓口もあります。
予約を取る。
相談先のページを見る。
電話番号を控える。
その日は、そこまででも構いません。
早めに支援へつながった方がよいとき
次のような状態が続いている場合は、セルフケアだけで何とかしようとせず、医療機関や相談窓口、信頼できる専門家へ相談してください。
- 気分の落ち込みや強い不安が続いている
- 眠れない日が続いている
- 食事を十分にとれない
- 仕事、学校、家事などに大きな影響が出ている
- 過去の出来事が何度も浮かび、強いつらさが続いている
また、自分や誰かの安全を保つことが難しい場合は、安全な場所へ移動し、すぐに利用できる支援へつながってください。
急な体調悪化や命の危険がある場合は119番、暴力や犯罪などの危険がある場合は110番へ連絡します。
厚生労働省「まもろうよ こころ」では、電話、SNS、地域別など、複数の相談方法が案内されています。
「こころの耳」相談窓口案内では、働く人や家族が利用できる相談先を探せます。
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ひとりで解決しなければならないわけではない
相談は、すべてを相手に任せることではありません。
自分だけでは見えにくくなっているものを、誰かと一緒に確かめることです。
相談できそうな人を思い浮かべる。
相談先をひとつ調べる。
「少し聞いてほしい」と、ひとこと伝える。
そこから始めてもいいんです。
生活や心身に影響が出ているなら、それは相談を考える十分な理由です。
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この記事は、診断や治療を目的としたものではありません。