ぐるぐる思考・考えすぎ

悩みをひとりで抱え込まないために

悩みを抱え込むほど、相談すること自体が難しくなることがあります。誰に、何を求めて話すのか。身近な人に話しにくいときの相談先や、早めに支援へつながる目安をまとめました。

カフェのテーブルに置かれた2つのカップとノート、誰かに悩みを話す雰囲気の静かな風景

悩みを抱えたまま、ひとりで考え続けてしまうことがあります。

考えるうちに答えが見つかることもあります。

一方で、同じところを何度も回り、ほかの選択肢が見えにくくなることもあります。

それでも、

「こんなことで相談していいのだろうか」

「自分で解決しなければ」

と思い、誰にも話せないことがあります。

この記事では、悩みを抱え込みすぎないために、誰に、何を求めて話せばよいのかを考えていきます。

悩みの重さは、外からは決められない

初めて相談にみえる方から、

「こんな悩みでも相談していいのでしょうか」

と聞かれることがあります。

私は、悩みに大きいも小さいもないと思っています。

たとえば、

「夕飯の献立が思いつかない」

という言葉だけを見れば、小さな悩みに感じるかもしれません。

でも、家庭の中に強い緊張があり、相手の反応にいつも怯えているとしたら、話は違います。

悩みの重さは、言葉だけでは決められません。

その悩みが、生活や心身にどのくらい影響しているかを見る必要があります。

また、悩みを誰にも話せずにいると、悩みそのものとは別の苦しさが増えることがあります。

「笑われるかもしれない」

「迷惑をかけるかもしれない」

「自分で解決できないのは、弱いからではないか」

そう考え続けるうちに、悩んでいる自分まで責めるようになることがあります。

ひとりで考える時間が必要なこともあります。

ただ、何度考えても同じところへ戻り、苦しさだけが増えているなら、外からの視点を借りる時期なのかもしれません。

悩みの中身を整理したい場合は、悩みを整理するために試してみたい方法で、事実や予測、自分が選べることを分ける方法を紹介しています。

相談は、答えを誰かに預けることではない

悩みを話すことは、答えを誰かに決めてもらうことではありません。

自分では見えにくくなっているものを、誰かと一緒に確かめる方法です。

話しているうちに、

「本当は、ここがつらかったんだ」

「自分は、これを怖がっていたんだ」

と、自分の気持ちが見えてくることがあります。

カウンセリングなどの対人支援では、相手の話をすぐに評価したり、結論へ急いだりせずに聴く「傾聴」が大切にされています。

傾聴の目的は、正しい答えを与えることではありません。

話す人が、自分の言葉で状況や気持ちを整理しやすくするためです。

最初から、きれいに説明する必要はありません。

「ちょっとつらい」

「最近、同じことばかり考えている」

「うまく説明できないけど、少し聞いてほしい」

それだけでも、相談は始められます。

誰に、何を求めて話すのかを選ぶ

身近に信頼できる人がいるなら、その人に話す方法があります。

ただし、近しい人であれば、誰でもよいわけではありません。

話をすぐ否定したり、むやみにほかの人へ広めたり、無理に結論を押しつけたりしない人を選びます。

また、話す前に何を求めているのかを伝えると、行き違いを減らせます。

  • 今日は、解決策より話を聞いてほしい
  • 率直な意見を聞きたい
  • 一緒に方法を考えてほしい
  • 相談先を探すのを手伝ってほしい
  • 今は、ただそばにいてほしい

相手にも事情や余裕があります。

信頼している人でも、そのときは話を受けとめる余裕がない場合があります。

一人の反応だけで、

「自分の悩みには価値がない」

「誰もわかってくれない」

と決める必要はありません。

別の人や、別の相談先を探して構いません。

身近な人との関係そのものが悩みの原因なら、無理にその相手へ相談しないでください。

身近な人に話しにくいときは

悩みは、家族や友人だけに話さなければならないものではありません。

身近な人だからこそ、言いにくいこともあります。

心配をかけたくない。

弱いところを見せたくない。

今後の関係が変わるのが怖い。

そんなときは、相談窓口、医療機関、カウンセラーなど、生活から少し距離のある相手へ話す方法があります。

相談先は、悩みの内容によって変わります。

  • 気分の落ち込みや強い不安が続くなら、医療機関や心の相談窓口
  • 職場の悩みなら、社内窓口、労働相談、産業保健の相談先
  • 暴力やハラスメントなら、その問題に対応する専門窓口
  • 借金や法律上の問題なら、法律・金融の相談窓口

どこへ相談すればよいかわからないときは、総合的な相談窓口で、適した支援先を尋ねても構いません。

電話で話しにくければ、SNSやチャットで相談できる窓口もあります。

予約を取る。

相談先のページを見る。

電話番号を控える。

その日は、そこまででも構いません。

早めに支援へつながった方がよいとき

次のような状態が続いている場合は、セルフケアだけで何とかしようとせず、医療機関や相談窓口、信頼できる専門家へ相談してください。

  • 気分の落ち込みや強い不安が続いている
  • 眠れない日が続いている
  • 食事を十分にとれない
  • 仕事、学校、家事などに大きな影響が出ている
  • 過去の出来事が何度も浮かび、強いつらさが続いている

また、自分や誰かの安全を保つことが難しい場合は、安全な場所へ移動し、すぐに利用できる支援へつながってください。

急な体調悪化や命の危険がある場合は119番、暴力や犯罪などの危険がある場合は110番へ連絡します。

厚生労働省「まもろうよ こころ」では、電話、SNS、地域別など、複数の相談方法が案内されています。

「こころの耳」相談窓口案内では、働く人や家族が利用できる相談先を探せます。

このテーマに近い記事

悩みを整理するために試してみたい方法では、何から話せばよいかわからないときに、悩みの中身を分けて見る方法を紹介しています。

人に合わせすぎて、自分がわからなくなるときでは、相手に合わせ続ける中で、自分の気持ちや価値観が見えにくくなったときの考え方をまとめています。

自分を責めすぎて苦しくなるときに、少し距離を置く考え方では、自分へ向ける厳しい言葉を、そのまま事実として扱いすぎない方法を紹介しています。

このテーマに近い本

『あなたらしく生きていいんです!』では、不安、自動思考、自分を責める気持ち、自己受容、価値観について、私自身の体験をもとにまとめています。

『カール・ロジャーズ入門』は、人の話を聴くこと、受けとめること、自分が自分になることについて考える本です。

ひとりで解決しなければならないわけではない

相談は、すべてを相手に任せることではありません。

自分だけでは見えにくくなっているものを、誰かと一緒に確かめることです。

相談できそうな人を思い浮かべる。

相談先をひとつ調べる。

「少し聞いてほしい」と、ひとこと伝える。

そこから始めてもいいんです。

生活や心身に影響が出ているなら、それは相談を考える十分な理由です。

参考にした情報

この記事は、診断や治療を目的としたものではありません。