お酒との距離を見直したいとき|自分を責めずに飲酒習慣を振り返る方法
飲酒習慣を意思の弱さだけで見ず、量・場面・得ているもの・失っているものを記録し、必要な相談へつなぐ方法をまとめました。
飲む量が増えた気がする。
休肝日を作ろうとしても、続かない。
飲んだ翌日に後悔することが増えた。
そんな変化に気づくと、
「自分は意思が弱い」
と責めたくなるかもしれません。
でも、飲酒習慣には、アルコールの作用だけでなく、疲れ、眠れなさ、不安、人との付き合い、生活のリズムなど、いろいろなことが関係します。
この記事では、自分だけで診断を決めたり、自己判断による急な断酒を勧めたりするのではなく、今の飲み方を記録し、相談が必要かを考えるための方法をまとめます。
飲酒習慣を、意思の弱さだけで見ない
アルコールには、脳や体へ作用する性質があります。
飲み続ける中で、以前と同じ量では満足しにくくなったり、飲まないと落ち着かなくなったりすることがあります。
そのため、飲酒の問題を根性だけで解決しようとすると、うまくいかない場合があります。
一方で、飲む量が多い、毎日飲むといった一つの特徴だけで、依存症だと自己判断することもできません。
困っている変化と生活への影響を見て、必要なら医療機関や相談窓口へつながります。
まず、飲んだ量と場面を記録する
減らすかどうかを決める前に、一週間ほど、実際の飲酒を記録します。
- 何を、どのくらい飲んだか
- 何時ごろ飲み始めたか
- その前に何があったか
- 飲んだあとの気分や睡眠
- 翌日に困ったことがあったか
記録は、自分を責めるためではありません。
「思っていた量」と「実際の量」の違いや、飲みたくなる場面を知るためです。
純アルコール量を確認する
お酒の種類が違うと、同じ一杯でも含まれるアルコール量は変わります。
厚生労働省は、飲酒量を把握するときに「純アルコール量」で見る方法を案内しています。
純アルコール量は、一般に次の式で計算します。
飲んだ量(ml)× アルコール度数(%)÷100 × 0.8
たとえば度数5%なら、「5÷100」として計算します。
計算が難しい場合は、厚生労働省の飲酒量計算ツールなどを使います。
数字は、安全か危険かを一つで決めるためではなく、自分の飲み方を把握する材料です。
飲みたくなる背景を見る
飲みたい気持ちが強くなる場面には、何か共通点があるかもしれません。
仕事が終わったあと。
眠れない夜。
人と会って疲れた日。
嫌なことを思い出したとき。
飲酒が、緊張をゆるめる、考えごとを止める、眠るための方法になっている場合があります。
背景がわかると、単に酒を我慢するのではなく、休息、相談、睡眠の見直しなど、別の対応も考えられます。
得ているものと失っているものを分ける
飲酒には、自分が得ていると感じるものがあります。
- 気持ちがゆるむ
- 楽しい時間になる
- 人と話しやすくなる
- 一日を終えた感じがする
一方で、失っているものもあるかもしれません。
- 睡眠の質
- 翌日の体調や時間
- お金
- 家族との関係
- 自分で量を選べている感覚
どちらかを隠さずに書くことで、今の飲み方を続けたいのか、変えたいのかを考えやすくなります。
今日できる見直しを一つ選ぶ
急に大きな目標を立てる前に、できそうなことを一つ選びます。
- 飲む前に量を決める
- 水やノンアルコール飲料を間に入れる
- 飲み始める時間を遅らせる
- 家に置く量を減らす
- 飲酒記録だけを続ける
ただし、飲まないと手が震える、汗が出る、強い不安や体調不良があるなど、離脱症状が疑われる場合は、自己判断で急に中止せず、医療機関へ相談してください。
自己判断で急に変えず、必要なら相談する
飲酒量を減らせない。
飲酒によって仕事や家庭へ影響が出ている。
記憶が抜けることがある。
飲まないと体調が悪くなる。
そのような場合は、依存症専門医療機関、保健所、精神保健福祉センターなどへ相談してください。
相談することは、依存症だと認めることではありません。
今の状態を専門家と一緒に確認するためのものです。
責めるためではなく、選び直すために振り返る
飲んだことを責め続けても、次に飲みたくなる理由までは見えません。
量、場面、得ているもの、失っているものを確認する。
そのうえで、自分に合う見直し方や支援を選びます。
お酒との距離は、ひとりで意志の強さを証明するための問題ではありません。
参考資料
この記事は、診断、治療、断酒や減酒の医学的判断を目的としたものではありません。