アルコール依存症にならないために自分で出来る対策
アルコール依存症は自分だけでなく家族や周囲の人々にも大きな影響を与え、時には抱いていた夢や目標から遠ざかってしまうこともあります。
また、治療のために通院や入院を強いられるケースも少なくありません。
今回は、アルコール依存症にならないために自分でできる対策をご紹介いたします。
早期に自覚し、対策いたしましょう。
目次
- ○ あなたはアルコール依存症ですか?
- ・アルコール依存症とは
- ○ うつ症状とアルコール依存症
- ・断酒する
- ・「利益」を書き出す
- ・「損失」を書き出す
- ・「利益」と「損失」を比べてみる
- ・断酒した場合の「利益」
- ○ まとめ
あなたはアルコール依存症ですか?
アルコール依存症から回復するにはどうすればいいのでしょうか。
どれくらいアルコールを摂取したら依存症になるのでしょうか。
アルコール依存症になってしまう人は意思の弱い人なのでしょうか。
そもそも、どれくらいの人がアルコール依存症だと自覚しているのでしょうか。
私はアルコール依存症でした。
アルコール依存症とは
長期間にわたって適量以上のアルコールを摂取し続けてしまうと、飲酒に対するコントロールが効かなくなってしまうことがあります。
簡単にいえばこのような状態がアルコール依存症と呼ばれています。
以前、医師から「帰宅後、冷蔵庫にビールが入っていないことに気づき、わざわざ買いに行くのはすでにアルコール依存症だ」と言われたことがあります。
これを基準にすると、恐らくとんでもない人数になりそうですよね。
仕事の疲れを癒すため、また自分へのご褒美のために夕食時にお酒を少々嗜む。
まさに至福の時ですよね。
この時に缶ビール1本程度なら問題ないのですが、例えば缶ビール500mlを3本、あるいは日本酒3合程度を長期間飲み続けると10〜20年でアルコール依存症になるとも言われています。
もちろん私の場合は、ビール3本は少ない方でしたし、断酒する前の10年ほどの間は過度なストレスも手伝って、飲み始めてから朝起きるまでの記憶がほとんどありませんでした。
大変お恥ずかしい話ではございますが、朝起きたらベッドがびちょびちょだったこともあります。
また他人に迷惑をかけたことも多々ありましたし、失敗もたくさんしました。
この話は長くなりますので、また別の機会にいたしまして話を戻します。
うつ症状とアルコール依存症
長年の生活習慣だけが要因でアルコール依存症になるわけではありません。
それまで飲酒の習慣がなかった人であっても、何かをきっかけに適量以上のアルコールを摂取し続けてしまうことがあります。
例えば強いストレスや不安を飲酒によって紛らわそうとすることがあります。
最初はほんの少しで酔いがまわり、一時的に気が紛れるかもしれませんが、やがて習慣化されてしまい、飲酒量も増えていきます。
ここではっきりと申し上げますが、過度な飲酒によってうつ症状や不安が消えて無くなることはありません。
むしろうつ症状を悪化させてしまいます。
双極性障害の場合は、うつ症状だけでなく躁転するトリガーとなってしまう場合もあります。
いづれにしても不安を抱えている人は断酒するべきだと考えます。
断酒する
アルコール依存症にならないため、またアルコール依存症から回復するためには断酒をすることです。
アルコール依存症からの回復を目指すなら「節酒」はあり得ません。
当然のことですが簡単ではありません。
まずは「断酒する」と決断しなくてはならないのですが、きっかけが必要です。
きっかけといっても酷い二日酔いの朝は毎回「もう呑まない」と誓っていましたし、失敗した時は反省し、自己嫌悪にも襲われ「これっきりにしよう」と何度も思いました。
しかし再び強いストレスや不安を感じると飲酒に走ってしまいます。
このことからもわかるように「二日酔い」や「酒での失敗」はきっかけにはなりません。
ぜひ試していただきたいのは、前回のブログでお伝えした「利益」と「損失」を明確にする方法です。
「利益」を書き出す
まずは飲酒することで得られる「利益」を考えてみましょう。
最初は短期的な「利益」です。
短期的な利益
・美味しい
・ストレス発散
・仲間や同僚とのコミュニケーション
・不安が軽減する気がする
・・・これくらいでしょうか。
他にもございましたら思い付くだけ書き出してみてください。
次に飲酒し続けることで得られる長期的な「利益」を考えてみましょう。
長期的な利益
・飲食店の常連客になれる
・飲み友達が出来る
・お酒の種類に詳しくなる
・・・え〜っと、これくらいしか思いつきません(苦笑)
あ!飲食店のお姉様方にモテる(気のせい)
「損失」を書き出す
アルコールによって被る短期的・長期的「損失」をそれぞれ考えてみます。
まずは短期的な「損失」です。
短期的な損失
・お小遣いが減る
・翌朝ダルい
・飲み過ぎると二日酔いになる
まぁ、酒呑みにとっては損失と呼ぶようなことではありません。
当たり前の普通のことです。想定内ですよね。
では次に飲酒し続けることで被る長期的な「損失」を考えてみましょう。
長期的な損失
・睡眠の質の慢性的な悪化
・二日酔いや睡眠不足からミスが多くなり降格しやがて職を失う
・脂肪肝やアルコール性肝炎、肝硬変等のリスクを増大させるだけでなく、痛風や膵炎や癌、さらには大脳萎縮、記憶障害、認知症や小脳障害などの恐れもある
・認知機能が低下し抑うつ状態が続く
・金銭的な負担が増え破産する
・・・他にも重篤な疾患や脳神経障害などを引き起こすばかりでなく、孤立し破滅へと突き進んでしまいます。
「利益」と「損失」を比べてみる
書き出した飲酒し続けることによる長期的な「利益」と長期的な「損失」を比べてみてください。
重篤な疾患のリスクを背負ってまで飲食店の常連になることを優先しますでしょうか。
酒の席で出来た飲み友達は所詮飲み友達です。もしかしたらご自身のビジネスに貢献してくれる可能性もゼロではありませんが、そのためにミスをする危険性が高い二日酔いになる必要はありませんよね。
また、お酒の種類は呑まなくても覚えられますし、飲食店のお姉様方にモテたところで、お金がなくなれば足しげく通うこともできなくなります。
足しげく通うためにカードローンをフル活用して、肝硬変になり働くこともできず破産・・・。
ちょっと怖くなってきましたので、最後に「断酒した場合の利益」を考えてみましょう。
断酒した場合の「利益」
そもそも飲まないのですから酒代がかからなくなりますので、いままでかかっていた酒代を他にまわすことができるようになります。
ちょっと計算してみてください。
缶ビール500ml 1本250円として、250円×1日3本×30日=22,500円
22,500円×12ヶ月=270,000円
この他にもワインや日本酒や焼酎やウイスキー、さらには飲食店での出費もありますよね。
これらが口から入ってトイレへと流れていった金額です。
どうぞ、今までかかっていた酒代を正直に計算してみてください。
そしてそのお金があれば何ができるか考えてみてください。
私は27インチのiMacを新調しました♪
まとめ
「酒は百薬の長」と言われますが、厚生労働省が示す「節度ある飲酒量」の1日辺りの純アルコール換算は20g、これはビール500ml 1本や日本酒1合程度です。
ちなみにアルコール度数7%の缶酎ハイでは350ml 1本分です。
また最近では、これよりも少なくしないと健康を害する恐れがあるとの研究発表もされています。
アルコール依存症は誰でもなり得ますが、意思が弱いからなるのではありません。
脳内で分泌される神経伝達物質のバランスが崩れてくるんです。
酒なんていつでもやめられるよと思っていてもドーパミンが過剰に放出され報酬系回路が激しく刺激されてしまえば、恐らく勝ち目はありません。
そうならないために、まずは飲酒の習慣を見直しましょう。
また断酒をするにもひとりでは辛くくじけてしまいそうな時もあります。
そんな時は一緒に立ち向かいますので、ぜひご相談ください。