不安感を軽減する3つの方法

不安を引き起こす原因は、人によって様々です。
ですので、対処の方法も様々です。
もちろん、カウンセリングを受けることが有効な方もいらっしゃるでしょう。
しかし、まずは自分でこのザワザワした感じや不安感を少しでも軽減したい。
そんな時に試していただきたい方法を、今回は3つご紹介いたします。
不安を完全になくそうとしなくて大丈夫です。
まずは「少し軽くする」「少し落ち着かせる」ことを目指してみましょう。
腹式呼吸
まずは呼吸法です。
成人の場合、1分間に12〜20回程度が正常値とされていますが、不安な時はどうしても呼吸が増えてしまいがちです。
呼吸数が増えると、余計にソワソワしたり、落ち着かなかったりして、不安やストレスがさらに大きく感じられることがあります。
ですので、まずは呼吸を整えます。
不安な時というのは、頭の中だけが苦しいのではなく、身体も緊張しています。
呼吸を整えることは、身体に「少し落ち着いて大丈夫だよ」と伝えることでもあります。
口ではなく鼻で空気を吸う
鼻には、吸い込んだ空気に含まれている異物を取り除いてくれる機能があります。
また、冷たく乾燥した空気を程よく温めたり、適度な湿度にして、肺などに負担を与えないようにしてくれます。
不安な時ほど呼吸は浅く早くなりやすいのですが、鼻からゆっくり吸うことを意識するだけでも、呼吸のペースを整えやすくなります。
姿勢を整える
椅子に座っている場合は、深く腰掛けて背筋を伸ばします。
背もたれがあるなら、背筋を伸ばしたままもたれてもいいでしょう。
また、横になれる環境でしたら、仰向けに寝転んでみるのも有効です。
姿勢が丸くなっていると、呼吸も浅くなりやすくなります。
無理に胸を張る必要はありませんが、少しだけ呼吸しやすい姿勢を意識してみてください。
お腹に手をそっと当てる

不安でザワザワしている時は、自然と胸に手を当てていたりしますが、その手をお腹にそっと移動させてください。
力を入れて押さえる必要はありません。
やさしくそっと置く感じで構いません。
お腹に手を当てることで、呼吸の動きがわかりやすくなります。
「いま、自分は息を吸っている」「いま、息を吐いている」と身体の感覚に意識を向けやすくなります。
息を吐くことに意識を集中する
深呼吸を始める時はまず、口から細くゆっくりと息を吐くことから始めます。
息をゆっくり吐くことで、張りつめていた身体が少しずつ緩みやすくなります。
この時、お腹がへこんでいくのを手のひらで感じます。
8秒ほどかけて息を吐き切ります。
吐き切ったら今度は4秒ほどかけて鼻から空気を吸い込みます。
そして6秒ほど息を止めます。
これを何回か繰り返してみてください。
ただし、秒数はあくまでも目安です。
苦しくなるほど頑張る必要はありません。
大切なのは、上手にやることではなく、呼吸に意識を向けることです。
不安が強い時ほど「ちゃんとやらなきゃ」と思いがちですが、少し落ち着ければそれで十分です。
思考を整理する
不安に拍車をかけてしまう原因のひとつに、考えがまとまっていないことがあげられます。
これは、不安な感情がさらなる不安を呼び、思考が堂々巡りしているために起こります。
あれも不安、これも不安、と頭の中で次々に浮かんでくると、何に対して不安なのか自分でもわからなくなってしまいます。
そうなると、ただ苦しいだけの状態になりやすいんです。
だからこそ、一度立ち止まって思考を整理してみます。
ひたすら書き出す

紙とペンを用意して、浮かんできた不安な言葉や事柄をひたすら書き出します。
順番なんて気にせず、とにかく頭に浮かんだことを次々と書いていきます。
まとまっていなくても構いません。
文章になっていなくても構いません。
同じことを何度も書いてしまっても大丈夫です。
頭の中にあるものを、いったん外に出すことが大切です。
書き出すだけでも、「こんなにたくさん考えていたんだな」と気づくことがあります。
それだけでも、少し客観的になれます。
仕分けをする
一通り書き出したら、それらを「過去」「現在」「未来」に分けます。
もちろんザックリで構いませんので、過去に経験した出来事のせいで不安なのか、これからのことなのか、あるいは現在進行形のことなのかを明確にします。
不安は、全部が同じ種類ではありません。
過去の記憶からくるもの。
いま目の前にある問題。
まだ起きてもいない未来の心配。
これらが混ざっていると、不安はどんどん大きくなります。
ですので、まずは分けてみることが大切です。
コントロール出来ないことは捨てる
「過去」に仕分けした事柄のほとんどは、今となってはコントロール出来ないことです。
また、「あの人はどう思っているのだろうか」などの「他人」に関係することも、コントロール出来ません。
自分ではどうしようもないことは、悩んでいても解決しません。
そればかりか、不安な感情を呼び起こしてしまい、あなたを苦しめてしまいます。
ですので、あなたがコントロール出来ないことは捨てます。
どうしてもキッパリ捨てられない時は、
「これはこっちに置いといて」
と声に出しながら、「保留」の欄にメモっておきましょう。
あとで見返してみて、やはりコントロール出来ないとなれば捨ててください。
ここで大切なのは、「気にしないようにする」ことではありません。
気になるものは気になります。
でも、
「気になること」と
「自分でどうにか出来ること」は
別なんです。
その違いを理解するだけでも、不安に振り回されにくくなります。
感情を認める
仕分けし、コントロール出来ないことを捨てるだけでも、思考はだいぶ整理できてきます。
次に、残っているコントロール出来ることを声に出して読み、
「なぜ不安なのか」
を考えます。
ストレスを感じ、不安な感情を呼び起こしている事柄を否定するのではなく、「なぜ不安なのか」をしっかりと考えてみます。
不安な事柄からは逃げ出したくなるものですが、その思考を否定し、逃げ出すことが不安の継続につながります。
不安な事柄を冷静に見つめ、どう対処していくかを考えましょう。
ここで大切なのは、
「不安になる自分はダメだ」
と責めないことです。
不安なものは不安です。
怖いものは怖いんです。
それをまず認めること。
そこからしか、本当の整理は始まりません。
心理学的恒常性を知り、理解する
私たちには「恒常性」が備わっています。
これは、外的要因などの変化にかかわらず、私たちを一定の状態に保つ働きです。
暑い寒いにかかわらず体温が一定なのも、恒常性のおかげです。
心理面にもこの恒常性は働いており、それを「心理学的恒常性」といいます。
この心理学的恒常性は、生活を安定的に過ごすためには有効に働いてくれますが、新しいことにチャレンジしようとしたり、問題を解決しようとしたりする時にも働きます。
つまり、変わろうとする時にも、元に戻そうとする力が働くんです。
現状維持が大好きな脳
私たちの脳が優先するのは、
「いま生きているんだからいいじゃん」
です。
脳の最大の関心ごとは「生存と繁殖」です。
これは遺伝子の最大の関心ごとと同じです。
遺伝子は種を絶やさないことだけを考えているので、その宿主である私たちの幸せなどには興味はありません。
幸せだろうが不幸だろうが、生きていてくれたらそれでいいんです。
ですので、宿主である私たちが何か行動をしようとすると、不安というシグナルを発信して現状維持を促します。
新しいことに挑戦しようとする時。
人間関係を変えようとする時。
いままでの考え方を見直そうとする時。
そういう時に不安が出てくるのは、ある意味とても自然なことなんです。
戦いを挑まない
この脳からの不安というシグナルに対して、それを打ち消そうと戦いを挑むと、脳はさらにシグナルを強く発信してきます。
これでは負のスパイラルに陥ってしまいますので、戦いを挑もうとせずに、サクッと不安を感じていることを認めてしまいましょう。
先ほど書き出した事柄を冷静にみてみると、
「そこまで不安に感じるほどでもない」
ことが含まれていませんか?
これすらも否定せず、
「あ〜これも不安に感じてるんだなぁ」
「そかそか。不安だ不安だ」
と認識してしまいましょう。
そうすることで、脳や遺伝子は
「よしよし、シグナルは伝わったな」
ということで、それ以上強く反応し続けにくくなります。
不安を消そう、不安をなくそう、と戦うほど、かえって不安に意識が向いてしまうことがあります。
だからこそ、
「不安を感じているんだな」
と認めることが大切なんです。
自己受容

不安なものは不安だし、怖いものは怖いと素直に認め、出来ることと出来ないことを理解し、習慣や癖や好きなことや嫌いなことなど、あなたをあなた自身でまず理解し受け止めましょう。
あなたは、あなた以外の何者でもありません。
あなたという素晴らしい唯一の存在を、まるごと受け入れて抱きしめてください。
不安な時こそ、自分を受け入れることが大切です。
不安を感じている時、私たちはつい
「こんなことで不安になるなんて」
「もっとしっかりしなきゃ」
と自分を責めてしまいます。
でも、その責める気持ちがさらに苦しさを増やしてしまうことがあります。
だからこそ、
「いま不安なんだな」
「いま怖いんだな」
「それでもいいんだな」
と、自分に対して少しやわらかく接してみてください。
不安をなくすことだけが目標ではありません。
不安を感じる自分ごと受け止めながら、少しずつ前に進んでいくことが大切なんです。
さいごに
不安感を軽減するために大切なのは、無理やり前向きになることではありません。
呼吸を整えること。
思考を整理すること。
そして、不安を感じる自分の仕組みを理解すること。
この3つを意識するだけでも、不安に飲み込まれにくくなっていきます。
もちろん、すぐに全部うまく出来るわけではありません。
不安が強い日は、呼吸を整えるだけでも十分です。
紙にひとつ書き出すだけでも十分です。
「いま不安なんだな」と認めるだけでも十分です。
大切なのは、一気に変わろうとしないことです。
少しずつでいいんです。
少しずつ、あなたがあなたを落ち着かせられる方法を増やしていきましょう。
そうしていくことで、不安がある日でも、自分を見失いにくくなっていくはずです。