『思いつきで行動してしまう脳と考えすぎて行動できない脳』菅原洋平|行動のクセを責めすぎないために読んだ本
菅原洋平著『思いつきで行動してしまう脳と考えすぎて行動できない脳』を紹介します。行動のクセを自分の弱さとして責めるのではなく、頭の使い方として見直すきっかけになる本です。
『思いつきで行動してしまう脳と考えすぎて行動できない脳』菅原洋平
思いつきで動いてしまって、あとから後悔することがあります。
逆に、考えすぎてしまって、なかなか行動できないこともあります。
どちらも、自分では困っているのに、なかなか変えにくいものです。
「なんでまた先に動いてしまったんだろう」
「どうして考えるばかりで動けないんだろう」
そんなふうに、自分の行動のクセを責めてしまうことがあります。
菅原洋平さんの『思いつきで行動してしまう脳と考えすぎて行動できない脳』は、そうしたクセを、性格の問題としてだけではなく、頭の使い方として見直すための本です。
タイトルは少し長いですが、テーマはとても身近です。
すぐ動いてしまう人。
考えすぎて止まってしまう人。
どちらかが良くて、どちらかが悪いという話ではなく、それぞれのクセを知り、使い方を少し変えていく。
そんな視点をくれる一冊です。
行動のクセを、責める前に見てみる
この本では、人間の脳を「ひらめきタイプ」と「堅実タイプ」という形で説明しています。
ひらめきタイプは、思いつきで行動しやすい脳。
堅実タイプは、考えすぎて動けなくなりやすい脳。
もちろん、人をきれいに二つに分けられるわけではありません。
場面によって、思いつきで動くこともあれば、考えすぎて止まることもあります。
それでも、自分に出やすいクセを知ることは役に立ちます。
すぐ動いてしまう自分を、ただ落ち着きがないと責める。
考えすぎてしまう自分を、ただ弱いと責める。
そうではなく「自分はこういう動き方をしやすいのかもしれない」と見る。
それだけでも、自分への見方が少し変わります。
思いつきで動くことにも、考えすぎることにも意味がある
思いつきで行動してしまう人は、行動が早い分、あとから修正が必要になることがあります。
先に言ってしまう。
先に始めてしまう。
細かい確認を飛ばしてしまう。
その結果、自分でも困ってしまうことがあります。
でも、その速さが助けになる場面もあります。
新しいことを始める。
とりあえず試してみる。
止まっている場面を動かす。
そういう力は、思いつきで動ける人の強さでもあります。
一方で、考えすぎて行動できない人は、なかなか一歩を出せないことがあります。
失敗したらどうしよう。
もっと準備した方がいいかもしれない。
まだ足りない気がする。
そう考えているうちに、時間だけが過ぎてしまうことがあります。
でも、慎重に考えられることにも意味があります。
先のリスクに気づける。
手順を整理できる。
大きな失敗を防げる。
そういう力は、考えすぎる人の中にある強さでもあります。
弱みを消すより、使い方を変える
この本を読んでいて良いと思ったのは、弱みをただなくそうとしないところです。
思いつきで動いてしまうなら、全部止めればいい。
考えすぎてしまうなら、何も考えずに動けばいい。
そういう単純な話ではありません。
自分のクセを知ったうえで、少し使い方を変える。
足りない部分を補う。
反対側の使い方も少し練習してみる。
そういう方向で考えられるところが、この本の読みやすさだと思います。
行動が早すぎる人は、少しだけ確認する時間を入れる。
考えすぎて止まる人は、少しだけ動き出す形をつくる。
完璧に変わろうとしなくていい。
自分のクセを責めるだけではなく、扱い方を変えていく。
その考え方は、心が疲れているときにもやさしいと思います。
やる気が出ない人にも読みやすい視点
この本は「やる気がない人を叱る本」ではありません。
むしろ、やる気や根性だけに頼らず、頭の使い方を変えてみる本だと思います。
動けないとき、人は自分を責めがちです。
意志が弱い。
集中力がない。
ちゃんとしていない。
そんなふうに、自分のせいにしてしまうことがあります。
でも、行動できない理由が「やる気のなさ」だけではないとしたら、少し見方が変わります。
考えすぎているのかもしれない。
行動の順番が合っていないのかもしれない。
頭の使い方に、少し偏りが出ているのかもしれない。
そう考えると、自分を責める前に、試せる工夫が見えてきます。
「自分がだめだから動けない」ではなく「動き出しやすい形に変えられないか」と考える。
その視点は、Take a stepでも大切にしたいところです。
この本が合いそうな人
- 思いつきで動いてしまい、あとから後悔することが多い人
- 考えすぎて、なかなか行動に移せない人
- 自分の行動のクセを責めすぎてしまう人
- やる気や根性ではなく、仕組みとして行動を見直したい人
- 自分の弱みを、少し違う角度から見てみたい人
読むときに気をつけたいこと
この本は、脳のタイプを知るための本として読みやすい一方で、タイプ分けを自分や他人に貼りつけすぎない方がいいと思います。
自分は思いつきタイプだからだめ。
自分は考えすぎるタイプだから変われない。
そう決めつけるために読むと、少し苦しくなってしまいます。
タイプは、自分を縛るためのものではありません。
自分を理解するための入口です。
また、この本は医療的な診断や治療の代わりになるものではありません。
衝動性が強くて生活に大きな支障が出ている場合や、考えすぎて日常生活がつらくなっている場合は、医療機関や専門機関へ相談することも大切です。
本は、自分を理解する助けになります。
でも、つらさが強いときは、本だけで抱え込まなくて大丈夫です。
Take a stepとしての感想
この本の良さは、行動のクセを「性格が悪いから」「意志が弱いから」と片づけないところにあると思います。
思いつきで動いてしまうことにも、考えすぎて止まってしまうことにも、それぞれ理由がある。
そして、その中には弱みだけでなく、使い方によっては強みになる部分もある。
そう考えると、自分を責める言葉が少し弱まります。
大事なのは、別人のようになることではありません。
自分のクセを知って、必要なところだけ少し整えていくこと。
動きすぎるなら、少し止まる工夫を入れる。
止まりすぎるなら、少し動ける形をつくる。
そのくらいの小さな調整でいいのだと思います。
自分の弱みに見えていたものを、少し違う角度から見直したいとき。
考えすぎる自分や、思いつきで動いてしまう自分を責めすぎているとき。
この本は、頭の使い方を少し変えるきっかけになる一冊です。