憂鬱な気分のときに試したい3つの小さな工夫
不安や憂鬱な気分が頭から離れないとき、無理に消そうとすると、かえって苦しくなることがあります。視界に入る文字を読む、食べられそうなものを口にする、笑えるものに触れる。重たい気分から少し距離を取るための小さな工夫をまとめました。
不安や憂鬱な気分が、頭から離れない日があります。
そんなとき、いきなり元気になろうとしても難しいんですよね。
この記事で紹介するのは、不安や憂鬱を消す方法ではありません。
不安や憂鬱な気分に巻き込まれすぎないように、少しだけ注意を別のところへ向ける工夫です。
ほんの少しでも気持ちに余白ができれば、そのあとに何をするかを選びやすくなります。
なぜ、少し距離を取るのか
不安や憂鬱が強いときは、その気分や考えで頭の中がいっぱいになります。
「もう無理だ」
「何をしても変わらない」
「明日もきっとつらい」
そんな考えが、まるで事実のように感じられることもあります。
この状態では、ほかの選択肢が見えにくくなります。
ですので、完全に気分を変えようとするのではなく、少しだけ距離を取ってみます。
目的は、不安や憂鬱を追い出すことではありません。
不安や憂鬱な気分に、次の行動まで全部決められないようにするためです。
少し余白ができると、
「不安だけど、水を飲むことはできる」
「憂鬱だけど、今日は早めに横になろう」
「つらいけど、誰かに連絡してみよう」
そんなふうに、次の行動をひとつ選びやすくなります。
視界に入る文字を読む
私が試している方法のひとつが、視界に入る文字を読むことです。
本のタイトル。
カレンダー。
お菓子のパッケージ。
化粧品や歯磨きのチューブ。
目に入った文字を、ひとつずつ読んでいきます。
声に出してもいいですし、心の中で読むだけでもいいんです。
考えを無理に止めるのではありません。
頭の中だけに向いていた注意を、目の前へ少し戻します。
数秒でも別のものへ意識が向けば、それでいいんです。
食べられそうなものを口にする
憂鬱なときは、食欲が落ちたり、食事を用意する気力がなくなったりします。
そんなときは、食べられそうなものを少しだけ口にしてみます。
肉が好きなら、ガッツリ肉を食らう。
でも、肉でなくてもいいんです。
スープでも、おにぎりでも、豆腐でも、バナナでも、ゼリーでもいい。
たくさん食べる必要もありません。
ひと口食べたら、すぐに次を口へ運ぶのではなく、その食べ物の味や香り、温度、歯応えを少し感じてみます。
甘い。
しょっぱい。
やわらかい。
温かい。
噛むと音がする。
そんなふうに、目の前の食べ物へ意識を向けてみます。
頭の中を占めていた不安や憂鬱から、ほんの少し離れやすくなることがあります。
これは、気分を無理に変えるためではありません。
今ここで食べていることを、身体で確かめるためです。
ひと口だけでも、自分の身体を放っておかないための行動になります。
もちろん、特定の食べ物で憂鬱な気分が晴れるわけではありません。
まずは、今ここにある味や感触へ注意を戻しながら、身体を少し守る。
それでいいんです。
笑えるものに触れてみる
少し余裕があるなら、以前に笑ったことのあるものへ触れてみます。
コメディー映画。
お笑い番組。
くだらない動画。
好きな漫画。
動物の映像。
ためになるものや、有意義なものでなくていいんです。
憂鬱なときまで、成長しようとしなくていい。
笑えたら笑う。
笑えなければ、ただ眺める。
途中でやめてもいいんです。
笑うことを、元気になるための宿題にしないようにします。
距離を取ったあとにすること
少し不安や憂鬱な気分から離れられたら、今の自分を守るためにできることをひとつ選びます。
水分を取る。
何か少し食べる。
横になる。
予定をひとつ減らす。
誰かに連絡する。
必要なら、医療機関や相談窓口につながる。
不安や憂鬱な気分が残っていてもいいんです。
憂鬱な気分が消えてから動くのではなく、その気分があるままでも、自分を守る行動は選べます。
つらさが強いときは
ここで紹介した方法は、不安や憂鬱な気分から少し離れ、次の行動を選びやすくするための小さな工夫です。
これだけで何とかなるわけではありません。
気分の落ち込みが強く続いている。
眠れない日が続いている。
食事が十分にとれない。
何をしても楽しめない。
仕事や学校、家事に大きな支障が出ている。
そのようなときは、医療機関や相談窓口、信頼できる専門家へ相談してください。
厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNS、地域別の相談先が案内されています。
少しだけ余白を作れればいい
憂鬱な気分から、無理やり抜け出す必要はありません。
無理に気分を変えようとすると、余計に苦しくなってしまうかもしれないからです。
まずは、ほんの少しだけ注意を別のところへ向けてみる。
その間に、今の自分を守る行動をひとつ選ぶ。
文字を読む。
何か少し食べる。
笑えるものに触れる。
何もできそうになければ、横になる。
不安や憂鬱な気分が残ったままでもいいんです。
その気分に、全部を決めさせなくていい。
できることを、ひとつだけ。
まずは、そこからでいいんです。