『躁鬱大学』坂口恭平|気分の波と少し距離を置くために読んだ本
『躁鬱大学』を、気分の波をなくす方法ではなく、波のある自分とどう暮らすかを考える本として紹介します。読むタイミングと医療との線引きにも触れています。
気分の波に振り回されていると、
「こんなふうになるのは、自分だけなのかもしれない」
と思うことがあります。
坂口恭平さんの『躁鬱大学』は、気分の波をきれいに整理して説明する医学書ではありません。
本人の体験や独特の言葉を通して、扱いにくい自分とどう暮らしていくのかを考える本です。
気分の波を、生活の中から語る本
この本には、勢いのある言葉や、読む人によって受け取り方が分かれそうな表現もあります。
それでも、診断名や症状だけでは語りきれない日々の感覚が、そのまま置かれているように感じました。
「普通にならなければ」
「波のない自分にならなければ」
と追い込むのではなく、波があることを前提に、生活の組み立て方を考えてみる。
私は、そんな読み方をしました。
この本が合いそうな人
- 気分の波をひとりで抱え込んでいる人
- 専門書とは違う、体験から出てきた言葉を読みたい人
- 自分を責める以外の見方を探している人
読むタイミングは選んでいい
語り口が強く感じられることもあるため、気分が大きく落ちているときや、刺激の強い文章がつらいときは、無理に読み進めなくて構いません。
気になるところだけ読む。
しんどくなったら閉じる。
少し余力がある日に、また開く。
そのくらいの距離でよいと思います。
また、この本は診断や治療の代わりになるものではありません。気分、睡眠、活動量などの大きな変化が続き、生活に影響が出ている場合は、医療機関へ相談してください。
Take a stepとして残ったこと
この本を読んで残ったのは、気分の波をなくすことだけを目標にしなくてもよい、という感覚です。
波がある自分を責め続けるより、今どんな状態にあり、何があると少し暮らしやすいのかを見る。
万人向けの穏やかな本ではありませんが、必要な人には深く届く一冊だと思います。