群れの期待は、どうやって規範になるのか
書かれていない「普通」や「常識」は、どうやって集団全体に共有されるのか。規範を支える2つの期待、記述的規範と命令的規範の違い、そして「みんなの普通」が実は誰の本心でもないかもしれない多元的無知という視点から見ていきます。
Library Door 04
つながり、協力し、ときに傷つけ合う。群れの中の人間を見ます。
Door Guide
人間は、子どもを育て、食べ物や知識を分け、危険に備えながら生きてきました。
つながりは安心や協力を生む一方で、評判、比較、規則、排除も生みます。
私たちの心は、群れの中で生きることと深く結びついています。
What We Explore
この扉では、霊長類の群れ、人間の共同養育、協力、競争、評判、規範を見ていきます。
さらに、農業、都市、国家、情報社会へと集団が大きくなる中で、人のつながりがどう変わったのかをたどります。
Questions
つながりを美しいものだけとして描かず、安心と苦しさの両方を見つめます。
人間の集団や子育ての形は、時代や地域によって異なります。一つの形を人間本来の姿と決めつけません。
Social Journey
長編シリーズでは、哺乳類の養育、霊長類の群れ、人間の共同養育へと進みます。
その後、言葉と物語、農業、都市、国家、情報社会が、協力の範囲と人間関係をどう変えたのかを見ていきます。
人の目が気になることや、孤独が痛いことも、群れの歴史と現在の環境の両方から考えます。
Published
書かれていない「普通」や「常識」は、どうやって集団全体に共有されるのか。規範を支える2つの期待、記述的規範と命令的規範の違い、そして「みんなの普通」が実は誰の本心でもないかもしれない多元的無知という視点から見ていきます。
本当は違うと思っているのに、周りに合わせてしまう。その同調という行動には、集団から嫌われたくないという規範的な動機と、他人の判断を現実の手がかりにする情報的な動機の両方が関わっています。アッシュの実験とバーンズの脳科学研究から、同調が意志の弱さだけでは説明できないことを見ていきます。
自分が直接損をしていなくても、なぜ人は非協力や不公平を罰しようとするのか。フェアとゲヒターの公共財ゲーム実験、第三者処罰の研究、そして「出る杭は打たれる」にも通じる反社会的な罰の存在から、罰という行動の複雑さを見ていきます。
異なる仕事を分けることは、集団に何を可能にしたのか。アダム・スミスの分業論、狩猟採集社会に見られる性別分業、そして「男が狩り、女が集める」という通説をめぐる近年の科学論争から、役割がどう生まれ、どう固定化していくのかを見ていきます。
影響力や決定権は、なぜ均等に分かれないのか。ヘンリックの「尊敬」と「威圧」という2つの地位のルート、自信ある態度が能力の証拠として誤読されるという実験、そして権限が人の心理そのものを変えていく理論から、地位と権力がどう生まれるのかを見ていきます。
他者との比較は、うらやみだけでなく何を確かめているのでしょうか。フェスティンガーの社会的比較理論、動物の争いを避ける仕組みである資源保持力、そして比較の結果が気分を動かすギルバートの理論から、他人軸・承認・劣等感といった感覚の背後にある、比較という営みの機能を見ていきます。