『がんばらない戦略』川下和彦・たむらようこ|努力の向け方を見直したくて読んだ本
『がんばらない戦略』川下和彦・たむらようこ
頑張っているのに、なぜかうまくいかないことがあります。
やることを増やしているのに、気持ちばかり疲れていく。
ちゃんとしようとしているのに、続かない。
努力していないわけではないのに、結果につながっている感じがしない。
そんなとき、私たちはつい「もっと頑張らなきゃ」と考えてしまいます。
でも、本当に必要なのは、努力をさらに増やすことではなく、どこに力を使うかを見直すことなのかもしれません。
川下和彦さん・たむらようこさんの『がんばらない戦略』は、そんな視点をくれる本です。
タイトルだけを見ると、気合いを抜く本のように感じるかもしれません。
でも実際には、何もしないための本ではなく、ムダな努力を減らして、大切なところに力を向けるための本だと思います。
努力そのものではなく、努力の使い方を見る本
この本の副題は「99%のムダな努力を捨てて、大切な1%に集中する方法」です。
少し強い言い方に見えるかもしれませんが、読んでいて感じるのは「頑張ることを否定する」というより「頑張り方を間違えると、自分がすり減ってしまう」ということです。
私たちは、うまくいかないときほど、量で取り返そうとします。
もっと時間をかける。
もっと我慢する。
もっと気合いを入れる。
もっとちゃんとする。
でも、心も体も疲れているときに、さらに頑張る方向へ進むと、余計に動けなくなることがあります。
だからこそ、何を増やすかではなく、何を減らすか。
何を頑張るかではなく、どこに力を残すか。
この本は、そういう方向へ考えを向けてくれます。
「意志の力」だけに頼らない
この本で印象に残るのは、意志の力だけで何とかしようとしないところです。
やる気がある日だけ続けられることは、疲れている日には続きにくいものです。
気合いで頑張る方法は、短い期間なら動けるかもしれません。
でも、毎日の生活の中で続けようとすると、どこかで苦しくなります。
だから、できるだけ迷わないようにする。
行動を小さくする。
きっかけを決める。
習慣にしやすい形へ整える。
そうやって、意志の力を使いすぎない仕組みを作ることが大切なのだと思います。
これは、Take a stepで何度も大切にしている「自分を責めすぎないこと」とも近い考え方です。
続かない自分を責める前に、続けにくい形になっていなかったかを見る。
動けない自分を責める前に、動き出しにくい大きさになっていなかったかを見る。
それだけでも、自分への見方は少し変わります。
やる気が出ないときの考え方についてはわかっているのにやる気が出ない時に試して欲しい方法でも紹介しています。
物語形式だから、少し距離を置いて読める
この本は、ただのノウハウ集というより、物語を通して考え方を伝えていく本です。
だから、いきなり「こうしなさい」と言われる感じが少なく、少し距離を置いて読みやすいところがあります。
自分のこととして読むと苦しくなる話も、物語の形になると、少し受け取りやすくなることがあります。
「あ、自分もこういう頑張り方をしていたかもしれない」
「これなら少し変えられるかもしれない」
そんなふうに、説教ではなく、気づきとして入ってくる感じがあります。
もちろん、人によっては、物語形式が少しまわりくどく感じることもあるかもしれません。
短く結論だけ知りたい人には、少し好みが分かれると思います。
でも、頑張りすぎて疲れているときには、強い言葉で押されるより、物語を通して少しずつ受け取れる方が合うこともあります。
この本が合いそうな人
- 頑張っているのに、なぜかうまくいかないと感じている人
- やる気や根性だけで続けようとして疲れている人
- 努力の量ではなく、努力の向け方を見直したい人
- 習慣化やルーチン化に興味がある人
- 自分を責めずに、行動を少し整えたい人
読むときに気をつけたいこと
この本は「頑張らなくていい」と言ってくれる本ではありますが、何もしなくていいという意味ではありません。
むしろ、やみくもに頑張るのではなく、大切なところへ力を使うための本です。
だから、心がかなり疲れていて、何かを変えること自体がしんどいときは、無理に実践しようとしなくても大丈夫です。
まずは読むだけ。
気になったところに付箋を貼るだけ。
ひとつだけ、自分の生活に合いそうな考え方を拾うだけ。
それくらいで十分だと思います。
「がんばらない戦略」を読んで、また頑張ろうとしすぎたら、本末転倒になってしまいます。
この本も、自分を追い込む材料にしなくていいのです。
Take a stepとしての感想
この本の良さは「努力できない自分」を責める前に、努力の置き場所を見直してみようと思えるところにある気がします。
頑張れない日がある。
続かないことがある。
やろうと思っていたのに、動けないことがある。
そういう自分をすぐに否定するのではなく、仕組みや環境や行動の大きさを見直してみる。
その視点は、心が疲れている人にもやさしいと思います。
何かを変えるときに、いつも自分の意志だけに頼らなくていい。
もっと頑張る前に、頑張らなくても動ける形を考えていい。
この本は、そんなふうに力の入れ方を少し変えるきっかけになる一冊です。
頑張りすぎて疲れてしまった人に、そっと紹介したい本です。