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『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル|意志力との付き合い方を見直したくて読んだ本

ケリー・マクゴニガル著『スタンフォードの自分を変える教室』を紹介します。意志力や自己コントロールを根性論ではなく、心理学や脳の働きから見直すきっかけになる本です。

ケリー・マクゴニガル著『スタンフォードの自分を変える教室』の本を木目の上に置いて撮影した写真

『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル

ケリー・マクゴニガル著『スタンフォードの自分を変える教室』の本を木目の上に置いて撮影した写真
ケリー・マクゴニガルさんの『スタンフォードの自分を変える教室』。意志力や自己コントロールとの付き合い方を見直すために読んだ本です。

変わりたいと思っているのに、なかなか変われないことがあります。

やめたい習慣がある。

続けたいことがある。

先延ばしを減らしたい。

つい楽な方へ流れてな方へ流れてしまう自分を変えたい。

そう思っているのに、気づくと同じところに戻ってしまうことがあります。

そんなとき、私たちはつい「自分は意志が弱い」と責めてしまいます。

でも、本当に意志が弱いだけなのでしょうか。

ケリー・マクゴニガルさんの『スタンフォードの自分を変える教室』は、意志力や自己コントロールを、根性論ではなく心理学や脳の働きから考えるための本です。

もっと頑張れという本ではありません。

自分を観察し、なぜうまくいかないのかを知り、少しずつ行動を整えていくための本だと思います。

意志力を根性ではなく、仕組みとして見る本

この本で大切だと思ったのは、意志力をただの気合いや根性として扱わないところです。

やると決めたのにできない。

やめると決めたのにやめられない。

そんなとき、私たちはすぐに自分を責めます。

でも、うまくいかない理由は、性格の弱さだけではないのかもしれません。

疲れている。

ストレスが強い。

誘惑が近すぎる。

未来の自分を過信している。

無理な計画を立てている。

そうした要因が重なると、どれだけ真面目な人でも、思うように行動できなくなることがあります。

この本は、そうした人間らしい弱さを前提にしながら、自分の行動をどう整えるかを考えていきます。

だから、読んでいて「自分がだめだから変われない」と決めつけなくてもいい気がしてきます。

自分を責める前に、自分を観察する

何かを変えたいとき、最初に必要なのは、自分を責めることではなく、自分をよく見ることなのだと思います。

どんなときに先延ばしをするのか。

どんな気分のときに誘惑に負けやすいのか。

何をきっかけに、いつもの行動に戻ってしまうのか。

それを見ないまま「次こそ頑張る」と決めても、同じことを繰り返してしまうことがあります。

この本は、自分の行動を実験のように観察する視点をくれます。

失敗したときも、ただ落ち込むのではなく「何が起きていたのか」を見てみる。

うまくいったときも、ただ喜ぶだけではなく「なぜ今回はできたのか」を見てみる。

そうやって、自分を責める材料ではなく、自分を理解する材料として出来事を見直していく。

その姿勢は、Take a stepで大切にしている「自分を責めすぎないこと」とも近いものがあります。

未来の自分に期待しすぎない

この本を読んでいて、特に大事だと感じるのは、未来の自分を過信しすぎないことです。

明日からやる。

来週から整える。

来月から変わる。

そう思うと、今は少し楽になります。

でも、未来の自分も、今の自分と同じように疲れたり、迷ったり、面倒に感じたりします。

未来の自分だけが急に完璧になるわけではありません。

だからこそ、未来の自分に丸投げするのではなく、今の自分が少しだけ動きやすい形をつくっておくことが大切なのだと思います。

やることを小さくする。

誘惑を遠ざける。

迷わなくていいように準備しておく。

できなかったときの戻り方も決めておく。

そうした小さな工夫の方が「気合いで変わる」よりも、ずっと現実的なことがあります。

やる気が出ないときの考え方についてはわかっているのにやる気が出ない時に試して欲しい方法でも紹介しています。

失敗しても、そこで終わりにしない

何かを続けようとして失敗すると、もう全部だめになったように感じることがあります。

一日できなかった。

また先延ばしした。

また食べすぎた。

またスマホを見すぎた。

そういう小さな失敗が、自分への失望につながってしまうことがあります。

でも、そこで自分を責めすぎると、かえって立て直しにくくなります。

「もうどうでもいい」となってしまうこともあります。

大切なのは、失敗しない人になることではなく、失敗したあとに戻ってこられることなのだと思います。

できなかった日があっても、そこで終わりではありません。

また小さく始めればいい。

やり方を少し変えればいい。

自分に合わなかった方法を、別の方法に変えればいい。

この本は、そんなふうに自分の行動を見直すきっかけをくれます。

この本が合いそうな人

  • 変わりたいのに、なかなか行動が続かない人
  • 先延ばしや誘惑に悩んでいる人
  • 自分の意志が弱いと責めてしまう人
  • やる気や根性ではなく、仕組みとして行動を整えたい人
  • 心理学や脳科学の視点から自己コントロールを学びたい人

読むときに気をつけたいこと

この本は、とても実践的な本です。

ただし、読んだからすぐに自分が変わるというより、自分を観察しながら少しずつ試していく本だと思います。

だから、読みながら「これもできていない」「あれもできていない」と自分を責める必要はありません。

むしろ、この本を読んでまで自分を追い込んでしまうと、少し苦しくなってしまいます。

気になるところだけ読む。

ひとつだけ試す。

合わなければ別の方法にする。

そのくらいの距離感で大丈夫です。

また、この本は医療的な診断や治療の代わりになるものではありません。

強い不安や落ち込み、依存的な行動、生活に大きな支障が出るほどの困りごとがある場合は、医療機関や専門機関へ相談することも大切です。

Take a stepとしての感想

この本の良さは、変われない自分をすぐに否定しなくてもいいと思わせてくれるところにあると思います。

変われないのは、ただ意志が弱いからではない。

続かないのは、ただ根性がないからではない。

人の心や行動には、いろいろな仕組みがあります。

その仕組みを少し知るだけで、自分への見方が変わることがあります。

私は、この本を「もっと頑張るための本」としてではなく「自分を扱いやすくするための本」として読みました。

自分を責めるのではなく、自分を観察する。

気合いで押し切るのではなく、動きやすい形をつくる。

失敗した自分を切り捨てるのではなく、また戻ってこられるようにする。

その視点は、心が疲れている人にもやさしいと思います。

変わりたいけれど、何度も同じところでつまずいてしまうとき。

自分の意志の弱さばかり責めてしまうとき。

この本は、自分との付き合い方を少し変えるきっかけになる一冊です。