何もしたくない日はどう過ごせばいいか
何もしたくない日は、怠けているのではなく心と体が疲れているサインかもしれません。自分を責めすぎず、水分・食事・光・小さな行動から過ごすための考え方を紹介します。

何もしたくない日があります。
起き上がるのも面倒で、着替えるのもつらくて、誰かから連絡が来ても返す気になれない。
やらなきゃいけないことはあるのに、体も心も動かない。
そんな日があると「自分はだめだな」「甘えているのかな」と責めたくなるかもしれません。
でも、何もしたくない日は、あなたが怠けているからとは限りません。
疲れがたまっていたり、こころが落ち込んでいたり、ずっと緊張したまま過ごしてきたりすると、心と体が動きを止めることがあります。
それは、これ以上無理をしないためのサインかもしれません。
この記事では、何もしたくない日を無理に前向きに変えるのではなく、自分を責めすぎずに過ごすための考え方をまとめていきます。
何もしたくない日は、心と体が疲れているのかもしれない
何もしたくないとき、私たちはつい「やる気がない」と考えます。
もちろん、やる気が出ないように感じることもあると思います。
でも、その奥には、疲れや不安や落ち込みが隠れていることがあります。
人は、元気なときなら自然にできることでも、心が疲れていると急に重く感じることがあります。
顔を洗う。
ご飯を用意する。
メッセージを返す。
洗濯物を片づける。
ふだんなら小さなことに見える行動が、とても大きな山のように感じられる日もあります。
そんなときは「できない自分」を責めるより、まず「今日はそれだけ疲れているのかもしれない」と見てあげてください。
憂鬱な気分との付き合い方については憂鬱な気分から抜け出す3つの方法でも紹介しています。この記事では特に、何もしたくない日にどう過ごすかに絞って考えていきます。
全部やろうとしなくていい
何もしたくない日に苦しくなるのは、頭の中で「やらなきゃいけないこと」が一気に並ぶからです。
掃除もしなきゃ。
連絡も返さなきゃ。
仕事も進めなきゃ。
買い物にも行かなきゃ。
ちゃんとしなきゃ。
そうやって全部を見てしまうと、どこから手をつけていいかわからなくなります。
だから、何もしたくない日は、全部をやろうとしなくて大丈夫です。
その日の目標を、いつもの半分よりもっと小さくしてみてください。
できればいいことではなく、最低限これだけできれば十分というところまで下げてもいいのです。
今日は顔を洗えたら十分。
水を飲めたら十分。
カーテンを少し開けられたら十分。
そんな小さな基準でいい日があります。
基準を下げることは、負けではありません。
今の自分を守るための調整です。
小さな行動が、少しだけ流れを変えることがある
気分が落ち込んでいるときは、何かをする気になれないことがあります。
でも、心理療法の中には、気分が変わるのを待つだけでなく、できる範囲の小さな行動から流れを変えていく考え方があります。
行動活性化と呼ばれる方法では、楽しいことや必要なことを少しずつ生活の中に戻していく視点が大切にされています。
ただし、これは無理に頑張るという意味ではありません。
何もしたくない日に「散歩しよう」「運動しよう」「人に会おう」と大きな目標を立てると、それだけで疲れてしまうことがあります。
だから最初は、本当に小さくて大丈夫です。
立ち上がって水を飲む。
窓を少し開ける。
玄関まで行って戻る。
洗濯物を1枚だけたたむ。
スマホを少し遠くに置く。
行動の目的は、完璧に片づけることではありません。
止まっていた流れに、ほんの少しだけ動きを戻すことです。
やる気が出ないときの考え方についてはわかっているのにやる気が出ない時に試して欲しい方法も参考になるかもしれません。
何もできない日にも、体の土台だけは少し守る
何もしたくない日は、生活のリズムも崩れやすくなります。
食事を抜いたり、ずっと横になったり、夜になっても眠れなかったり。
もちろん、どうしても動けない日もあります。
そんなときに、きちんとした生活をしようとしなくて大丈夫です。
ただ、体の土台が崩れすぎると、こころもしんどくなりやすいものです。
だから、できる範囲で少しだけ体を守ってあげてください。
水分をとる
食欲がない日でも、水分だけは少し意識してみてください。
水でも、お茶でも、白湯でもかまいません。
一度にたくさん飲まなくても大丈夫です。
ひと口だけでも「体を置き去りにしなかった」と思えたら、それで十分です。
少しだけ食べる
食事を作る気力がない日は、ちゃんとした料理を目指さなくてもいいと思います。
ヨーグルト、バナナ、スープ、味噌汁、ごはんだけ。
今の自分が食べられそうなものを、少しだけで大丈夫です。
体に何かを入れることは、自分を雑に扱わないための小さな行動です。
少しだけ光を入れる
部屋が暗いままだと、時間の感覚もぼんやりしやすくなります。
カーテンを全部開けなくても大丈夫です。
少しだけ光を入れる。
窓の外を見る。
ベランダや玄関に一歩だけ出てみる。
それくらいでも、体に「今は昼なんだ」と伝える手がかりになります。

休むことにも、種類がある
何もしたくない日は、休むことが必要な日でもあります。
でも、ただ横になっているのに、なぜか回復しないこともあります。
それは、体は休んでいても、頭の中ではずっと自分を責めているからかもしれません。
「こんなことをしていていいのかな」
「また何もできなかった」
「みんなはちゃんとやっているのに」
そう考えながら横になっていると、休んでいるはずなのに、心はずっと働き続けています。
だから、何もしたくない日に必要なのは、行動を止めることだけではありません。
自分を責める声も、少しだけ弱めてあげることです。
「今日は回復に使う日」
「何もできないのではなく、休む力を残している日」
「今は最低限でいい日」
そんなふうに、休むことに少しだけ名前をつけてみてください。
うまく休めない日でも、自分を責めすぎないことはできます。
人と関わる量も減らしていい
何もしたくない日は、人と関わることも重く感じるかもしれません。
返信しなきゃ。
電話に出なきゃ。
心配をかけないようにしなきゃ。
そう思うほど、さらに疲れてしまうことがあります。
そんな日は、人との関わり方も小さくして大丈夫です。
すぐに全部返さなくてもいい。
長い文章を書かなくてもいい。
「今日は少し休みます」だけでもいい。
人に頼ることができそうなら、ひとりで抱え込まないことも大切です。
でも、人と話す元気がないときは、まず自分の状態を守ることを優先してもいいのです。
悩みをひとりで抱え込まないことについては悩みをひとりで抱え込まない方がいい3つの理由でも紹介しています。
つらさが長く続くときは、相談していい
何もしたくない日が、たまにあるだけなら、休むことや小さな行動で少し整えられることもあります。
でも、何日も続いている。
食べられない、眠れない状態が続いている。
仕事や生活に大きく影響している。
何をしても楽しいと感じられない。
消えてしまいたい気持ちがある。
そんなときは、ひとりで何とかしようとしなくて大丈夫です。
気分の落ち込みや興味の低下は、うつ状態で見られることもあります。自分だけで判断しようとせず、医療機関や相談窓口、信頼できる人に話してみてください。
助けを求めることは、弱さではありません。
今の自分を守るための行動です。
うつ症状について知りたい場合はうつ症状についても参考にしてください。
何もしたくない日にも、あなたの価値は変わらない
何もできない日があると、自分の価値まで下がったように感じることがあります。
でも、今日できたことの量で、あなたの価値が決まるわけではありません。
動ける日もあれば、動けない日もあります。
人と話せる日もあれば、誰とも話したくない日もあります。
それは、人として自然な波でもあります。
何もしたくない日は、無理に元気な自分に戻ろうとしなくて大丈夫です。
まずは、水を飲む。
少しだけ食べる。
光を入れる。
ひとつだけ片づける。
返事を短くする。
休むことに名前をつける。
それくらい小さなことで大丈夫です。
何もできなかった日にも、あなたはあなたのままです。
今日は、今日の自分を責めすぎないことから始めてみましょう。
少しづつで大丈夫です。