考えすぎて動けないときに、まず見直したいこと
考えすぎて動けないとき、動けない自分を「怠けている」「意志が弱い」と決めつけてしまうことがあります。正解を出してから動くのではなく、最初の一歩を小さくして、少し試す考え方をまとめました。
やらなければならないことは、わかっている。
でも、なかなか動けない。
頭の中では何度も考えているのに、体が動かない。
そんな日があります。
考えすぎて動けないと、
「怠けている」
「意志が弱い」
と、自分を責めたくなるかもしれません。
でも、動けない状態は、気合いだけで片づけられるものではありません。
失敗や後悔を避けようとするうちに、考える条件が増え、始める前に疲れてしまうことがあります。
心や体が疲れていて、動くより休むことが必要な場合もあります。
この記事では、考えすぎて動けなくなる理由を知り、今の自分に合う対応を考えていきます。
考えすぎて動けなくなるのには理由がある
考えることは、自分を守るために必要な働きです。
危険を避ける。
失敗を減らす。
後悔しにくい方法を探す。
そのために、私たちはいろいろな可能性を考えます。
ところが、確実な答えを出そうとするほど、検討する条件が増えていくことがあります。
もっとよい方法があるかもしれない。
もう少し準備した方がよいかもしれない。
始めたら、最後までやらなければならないかもしれない。
考えることだけで力を使い、行動までたどり着けなくなることもあります。
それでも動けない自分を責めると、行動の扉はさらに重くなります。
失敗を避けようと考える。
考え続けて動けなくなる。
動けない自分を責め、もっと始めにくくなる。
そんな循環が起こっているのかもしれません。
まずは、何が自分の行動を止めているのかを見ていきます。
先に、休む必要がないか確かめる
考えすぎて動けないとき、いつでも小さく動けばよいわけではありません。
まず、今は始め方を変える段階なのか、休む段階なのかを確かめます。
- 睡眠不足や体調不良が続いている
- 強い緊張や疲れが続いている
- 以前できていたことまで難しくなっている
- 仕事、家事、学校などへの影響が大きくなっている
こうした状態に当てはまるときは、行動を小さくするより、先に負担を減らした方がよい場合があります。
今日やらなくてもよいことを決める。
予定をひとつ減らす。
誰かに頼めることを探す。
休むことも、今の自分を守るために選ぶ行動です。
動く力は残っているけれど、失敗や正解のことを考えて止まっているなら、次の方法を試してみます。
何もしたくない日はどう過ごせばいいかでは、小さく動くことも難しい日の過ごし方をまとめています。
正解を出す代わりに、小さく試す
考えすぎて動けないときは、
「正解を出してから動こう」
としていることがあります。
でも、動いてみなければわからないこともあります。
ここでは、認知行動療法で用いられる「行動実験」に近い考え方を取り入れます。
頭の中の予測だけで結論を出さず、負担や危険の少ない範囲で試し、実際に何が起きたかを確かめる方法です。
たとえば、
「仕事を始めたら、最後まで終わらせなければならない」
と考えて動けないなら、
「5分だけ作業して、そこで止められるか」
を試してみます。
5分で止められた。
思ったより負担が大きかった。
もう少し続けられそうだった。
どの結果も、次にどうするかを考えるための情報です。
また、行動そのものが大きすぎる場合は、心理療法で使われる「行動活性化」の考え方から、行動を小さく分ける部分を取り入れます。
やる気が出るのを待つのではなく、今の状態でも取りかかれる大きさまで、最初の動作を小さくします。
- 部屋を片づける前に、ゴミをひとつ捨てる
- 仕事を終わらせる前に、ファイルを開く
- 返信を書く前に、相手のメッセージを一度読む
全部終わらせることが目的ではありません。
行動の扉を開けやすくすることが目的です。
机の上には今使うものだけを置く、スマートフォンを少し離すなど、環境も始めやすい形に整えます。
5分が長ければ、1分にする。
1分も難しければ、準備だけにする。
合わなければ方法を変えてもいいんです。
それでも重い日は、休む必要がないかをもう一度確かめます。
ただし、安全や健康、大きなお金、重要な契約などが関係することは、小さく試すだけで決めず、十分に情報を集めてください。
考えを紙に出し、思考と距離を置く
考えすぎていると、
「もう考えるのをやめなきゃ」
と思うことがあります。
でも、考えを無理に止めようとすると、かえってそのことが気になってしまう場合があります。
そこで、考えを止める代わりに、紙やメモへ書き出します。
ここでは、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)で用いられる「認知的脱フュージョン」の考え方を取り入れます。
頭に浮かんだ言葉を、事実や命令そのものではなく、ひとつの考えとして見る方法です。
- 実際に起きていることは何か
- 頭の中で予測していることは何か
- 今はまだわからないことは何か
- 今できる一番小さなことは何か
きれいな文章にする必要はありません。
書き出すのは、考えを消すためではありません。
頭の中で混ざっていた事実、予測、わからないことを分けるためです。
「これは実際に起きていること」
「これは自分が心配していること」
と分けて見ると、今すぐ答えを出さなくてもよいことが見えてくる場合があります。
書いたからといって、必ず行動しなければならないわけではありません。
つらさが続くときは、ひとりで抱え込まない
考えすぎて動けない状態が何日も続いている。
以前できていたことが、ほとんどできなくなっている。
眠れない、食べられない状態が続いている。
仕事、家事、学校などへ大きな影響が出ている。
強い不安や気分の落ち込みが続いている。
そのような場合は、この記事だけで原因を決めず、医療機関や相談窓口、信頼できる専門家へ相談してください。
動けない状態には、疲れやストレスだけでなく、心身の不調が関係している場合もあります。
自分の安全を保つことが難しいと感じる場合は、身近な人や医療機関、地域の緊急相談先へ早めにつながってください。
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『スタンフォードの自分を変える教室』は、意志力を根性だけでなく、人間の仕組みから考える本です。
『がんばらない戦略』は、頑張る量を増やすのではなく、行動しやすい仕組みを考える本です。
参考にした情報
- NICE「Depression in adults: treatment and management」
- Centre for Clinical Interventions「Depression Self-Help Resources」
- Association for Contextual Behavioral Science「Acceptance & Commitment Therapy」
今の状態に合う方法を選ぶ
考えすぎて動けないときは、強い決意を足す前に、今の状態を確かめます。
疲れているなら休む。
正解を探し続けているなら、小さく試す。
やることが大きすぎるなら、最初の動作を小さくする。
頭の中が混み合っているなら、紙へ書き出す。
ひとりで抱えるには重すぎるなら、誰かの助けを借りる。
どれが正解かではなく、今の自分に合うものを選びます。
不安や迷いをそっと横に置いたまま、自分が大切にしたい方向へ、今できる大きさの一歩を選ぶ。
今日は休むと決めることも、その一歩のひとつです。