ぐるぐる思考・考えすぎ

悩みを整理するために試してみたい方法

悩みには、葛藤、情報不足、不安、自分では変えにくい問題など、いろいろな形があります。事実、予測、自分が選べる行動を分け、今できる一歩を探すための整理方法をまとめました。

窓辺の机に置かれたノートとペン、コーヒーと本のある静かな風景

悩みを悩みとして捉える。

一見当たり前のことですが、それだけでは、同じところをぐるぐる回ってしまうことがあります。

悩みは、ひとつの大きなかたまりに見えます。

でも、その中には、実際に起きていること、まだ起きていない予測、複数の思い、自分では変えにくいことなどが混ざっています。

全部をまとめて考えようとするから、どこから手をつければよいのかわからなくなることもあります。

この記事では、心理的な支援でも使われる「問題解決アプローチ」の考え方を、日常で使える形にして取り入れます。

悩みを無理に前向きなものへ変えるのではなく、中身を分け、今の自分が扱える部分を探す方法です。

悩みの形を見分ける

友人関係の悩み。

職場での悩み。

就職や転職についての悩み。

パートナーについての悩み。

ラーメンにするか、チャーハンにするかの悩み。

同じ「悩み」でも、重さや内容はそれぞれ違います。

部外者には小さく見えても、当事者にとっては大きな問題であることもあります。

ですので、悩みに大小をつける前に、まずは何について悩んでいるのかを見ていきます。

たとえば、悩みには次のような形があります。

  • 複数の選択肢の間で迷っている
  • 情報が足りず、判断できない
  • まだ起きていないことを心配している
  • 相手の行動など、自分だけでは決められないことに悩んでいる
  • 不安や疲れが強く、考えること自体が難しくなっている

悩みの形が違えば、必要な対応も変わります。

情報が足りないなら、調べたり誰かに確認したりする。

複数の選択肢で迷っているなら、それぞれの魅力や負担を見る。

自分だけでは変えられない問題なら、相談先や外部の支援を探す。

何でも「考え方を変えればよい」と片づけるのではなく、悩みの中身に合った方法を選びます。

複数の思いが絡む「葛藤」

悩みの中には、複数の思いがぶつかり合っているものがあります。

心理学では、こうした状態を「葛藤」として考えることがあります。

「葛藤」という字を見ると、葛餅のクズと、藤棚のフジが絡み合っている姿を思い浮かべます。

ほどこうとしても、どちらのつるがどちらへ続いているのか、すぐにはわかりません。

心の中でも、願い、不安、負担、避けたいことが複雑に絡むことがあります。

たとえば、

「セダンもいいけど、ワンボックスも捨てがたい」

というように、どちらも魅力があって選べない。

「バイトには行きたくない。でも、休んで怒られるのも嫌だ」

というように、どちらも避けたくて決められない。

「ケーキをもうひとつ食べたい。でも、体重計が怖い」

というように、ひとつの選択肢に魅力と負担の両方がある。

さらに、これらがいくつも重なっていることもあります。

決められないのは意志が弱いからではなく、どの選択にも大切なものや避けたいものが含まれているからかもしれません。

ただし、すべての悩みが葛藤というわけではありません。

病気、経済的な問題、暴力、ハラスメント、災害など、気持ちを整理するだけでは解決できない問題もあります。

その場合は、問題に合った情報や支援が必要です。

悩みを紙へ出してみる

悩みを整理するときは、頭の中にあるものを紙やメモへ出してみます。

「また書き出すの?」と思いました?

そうですよね。

前の記事では、考えと距離を置くために書き出しました。

ここでは、悩みの中に何が混ざっているのかを、分類するために書きます。

きれいな文章にする必要はありません。

次の中から、書けそうなものだけで構いません。

  • 今、何が起きているのか
  • 何が一番つらいのか
  • 何を心配しているのか
  • 本当はどうしたいのか
  • 何を避けたいのか
  • 今できそうなことはあるか

書いていて苦しさが強くなる場合は、そこでやめます。

自分を整理するための方法で、自分をさらに追い詰める必要はありません。

事実・予測・選べることに分ける

書き出した内容を、次の四つに分けてみます。

  • 実際に起きていること
  • これから起きるかもしれないと予測していること
  • 自分が選べること
  • 自分だけでは決められないこと

ここで、少し乱暴ですが、

「これって、マジで何について悩んでるん?」

と問い直してみます。

悩みを否定するためではありません。

今、自分を苦しめているものが、

実際に起きている問題なのか。

まだ起きていない予測なのか。

自分が何かできることなのか。

自分だけでは決められないことなのか。

それを見分けるための問いです。

ここでは、予測が正しいか間違っているかを、すぐに決める必要はありません。

事実と予測を分けるだけでも、今できることを探しやすくなります。

プレゼンの悩みを整理してみる

たとえば、

「明日の会議でプレゼンをしなければならない。でも、笑われるかもしれないと思うと、資料作りが進まない」

という悩みがあったとします。

まず、実際に起きていることを確認します。

  • 明日、会議がある
  • 自分がプレゼンを担当する
  • 資料がまだ完成していない
  • 初めてのプレゼンで不安を感じている

次に、頭の中で予測していることを分けます。

  • 笑われるかもしれない
  • 失敗したら終わりかもしれない
  • うまくできなければ怒られるかもしれない

予測が間違っていると決めつける必要はありません。

過去に笑われた経験があったり、威圧的な職場だったりすれば、不安になるのにも理由があります。

そのうえで、自分が選べることを探します。

  • 説明したい内容を三つに絞る
  • 資料の一部分だけ作る
  • 声に出して一度練習する
  • わからない部分を上司や担当者へ確認する
  • 信頼できる人に資料を見てもらう

一方で、

  • 相手がどう評価するか
  • 企画が採用されるか
  • 相手がどんな表情をするか

といったことは、自分だけでは決められません。

プレゼンの結果すべてをコントロールすることはできません。

でも、資料を整えること、確認すること、伝え方を準備することは選べます。

自分が選べる部分へ、いったん焦点を戻します。

現実の問題まで考え方の問題にしない

悩みを整理するときは、相手を、

「敵か味方か」

だけで分けたくなることがあります。

でも、質問されることと、人格を否定されることは違います。

意見を指摘されることと、嘲笑されたり、威圧されたりすることも違います。

通常の確認や質問であれば、内容をよくするためのやり取りかもしれません。

一方で、実際に侮辱、暴力、威圧、ハラスメントなどがある場合は、

「自分の考え方が悪いだけ」

と片づけないでください。

記録を残す、周囲へ相談する、その場を離れるなど、自分を守る対応が必要です。

安心できないことには、安心できないなりの理由があるのかもしれません。

考え方を変える前に、現実に何が起きているのかも確認します。

悩みに合った次の一手を選ぶ

悩みを分けても、不安がなくなるとは限りません。

それでも、次に何をすればよいのかが見えやすくなることがあります。

情報が足りないなら、調べる。

複数の選択肢で迷っているなら、それぞれの魅力と負担を比べる。

予測が膨らんでいるなら、実際に確認できることを探す。

自分だけでは決められないなら、相手へ確認するか、相談先を探す。

疲れが強いなら、結論を出す前に休む。

次の一手は、必ずしも「すぐ行動すること」ではありません。

調べる。

保留にする。

誰かに話す。

今日は決めない。

それも、悩みに合った選択です。

何か試したあとは、

「少し整理できたか」

「負担が大きすぎなかったか」

「別の方法が必要か」

を見直します。

一度決めた方法へ、自分を無理に合わせ続ける必要はありません。

ひとりで解決しなくてよい悩みもある

ここで紹介したのは、悩みを整理するためのひとつの方法です。

すべての問題を、自分だけで解決する方法ではありません。

気分の落ち込みや不安が強く続いている。

眠れない日や、食事を十分にとれない日が続いている。

仕事、学校、家事など、生活に大きな支障が出ている。

そのような場合は、医療機関や公的な相談窓口、信頼できる専門家へ相談してください。

暴力、ハラスメント、借金、法律上の問題などには、それぞれに合った相談先があります。

悩みを整理することと、必要な支援を借りることは両立します。

厚生労働省「まもろうよ こころ」では、電話、SNS、地域別の相談先が案内されています。

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悩みを必ず原動力にしなくてもいい

悩みを整理するときは、ひとつの大きなかたまりを、少し分けて見ていきます。

何が実際に起きているのか。

何を予測しているのか。

何を大切にしたいのか。

自分が選べることは何か。

自分だけでは決められないことは何か。

分けたからといって、悩みがすぐになくなるわけではありません。

でも、今は調べるのか、行動するのか、保留にするのか、誰かに相談するのかが見えやすくなります。

人間は貪欲です。

悩みの中からさえ、次の一手を見つけることがあります。

ただ、悩みを必ず希望や原動力へ変える必要はありません。

向き合うだけで精いっぱいの日もあります。

そんな日は、

「何が一番つらいのか」

だけを確かめてもいいんです。

何もできそうにないなら、誰かに話すことを次の一手にしても構いません。

参考にした情報

この記事は、診断や治療を目的としたものではありません。